多くの愛用者が陥る落とし穴が「お気に入りのチップを使い回そうとしてアセトンに浸けてしまい、チップが溶けて変形した」という失敗である。市販のネイルチップの多くはABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)で作られている。アセトンはこのABS樹脂を完全に溶融させてしまう性質を持つため、チップ再利用を前提とする場合、アセトンの使用は選択肢から除外される。
チップの形状を完璧に保ちながらグルーを外すには、前述の「お湯+オイル浸漬法」に加え、デンタルフロスを活用したプロの裏技が極めて効果的だ。
お湯に15分以上浸して根元がわずかに浮いてきた段階で、市販のデンタルフロス(糸ようじの糸部分)を自爪とチップの隙間に滑り込ませる。両手でフロスの端をピンと張り、爪のカーブに沿わせるように先端方向へゆっくりとスライドさせていく。フロスがグルーの層を物理的に切り裂くクッションの役割を果たし、ウッドスティックよりも爪への局所的な圧力を大幅に分散させることができる。
チップ側に残ったグルーの塊は、外した直後に綿棒にエタノールを含ませて拭き取るか、極細のネイルファイルでチップ裏面のみを優しく削り落としておくことで、次回以降も美しい装着感を維持できる。