税収全体に占める直接税と間接税の割合を示す指標を「直間比率」と呼びます。この直間比率の推移と最新動向を辿ると、日本の財政政策がどこへ舵を切ってきたのかが如実に現れます。
昭和の高度経済成長期からバブル期にかけて、日本の直間比率は概ね「直7対間3」という直接税偏重の時代が長く続きました。当時は個人の所得税最高税率が70%台に達し、法人税の実効税率も高水準に設定されていました。しかし、1989年の消費税導入(3%)、1997年の5%増税、2014年の8%増税、そして2019年の10%増税という歴史的プロセスを経て、所得税や法人税の引き下げと引き換えに間接税のウエイトが一貫して拡大。近年では国税ベースでほぼ半々に近い水準まで接近しています。
財務省の決算資料や報道各社の調査データを参照すると、この比率の変遷は「税収の安定」という至上命題に基づいています。少子高齢化によって社会保障費が毎年膨張する日本において、景気変動の影響を受けやすい直接税に頼り続けることは国家財政上のリスクと見なされたからです。
しかし、制度の裏側で苦境に立たされているのは現場の納税者です。SNSやインターネットの質問投稿サイト(Yahoo!知恵袋など)を観察すると、納税者の悲痛な叫びが散見されます。
「物価高で光熱費も食費も上がっているのに、支出が増えれば増えるほど消費税の負担が自動的に重くなる。生活必需品を買うだけで罰金を払わされているようだ」(30代・単身世帯の投稿)
「インボイス制度が始まって以降、小規模な取引先からも消費税分の値引きを求められるなど、実質的な減収に追い込まれている。預かり金とは名ばかりで、零細事業者にとっては身銭を削る直接的な打撃だ」(40代・個人事業主の証言)
政策担当者が「税収の安定化」を掲げる一方で、市井の人々は逆進性の重圧と事業運営における租税転嫁の難しさに直面しています。