櫻いいよ氏による原作小説『交換ウソ日記』(スターツ出版文庫)と実写映画版を比較すると、メディア特性を活かした独自のアプローチが見えてきます。原作小説では、主人公・希美の自己肯定感の低さや、他人の顔色を窺ってしまう思春期のモノローグが非常に緻密に描かれており、心理的な葛藤に重点が置かれています。
一方、竹村謙太郎監督が手掛けた映画版では、映像ならではの胸キュン演出の解像度が格段に引き上げられています。教室での至近距離のやり取り、ヘッドホンを半分こして音楽を聴くシチュエーション、そしてSNSでも大きな話題となった「ほっぺぷに」や至近距離で見つめ合う疑似キスシーンのような緊張感ある演出は、映画版ならではの大きな魅力です。また、親友の江里乃や米田晴人(曽田陵介)、阿部優子(齊藤なぎさ)ら周囲のキャラクター造形もよりポップに再構成され、青春アンサンブルとしての完成度が高められています。