プロ野球業界の長い歩みの中でも、ひとつの都市を巻き込んで社会現象となったのが1985年の日本シリーズだ。圧倒的な破壊力を誇る打線を武器にセ・リーグを制した阪神タイガースは、勢いそのままに秋の頂上決戦へとなだれ込んだ。甲子園球場のスタンドを歓喜の渦に叩き込んだ伝説の「バックスクリーン3連発」の衝撃は、今なおファンの間で鮮烈な語り草となっている。
あの秋に旋風を巻き起こしたタイガースの熱気は、スポーツの枠組みを超えた巨大なエネルギーだった。相手投手の勝負球を完璧に捉えた豪快なスイングと、イエローハッピで埋め尽くされたスタンドの地鳴りのような声援。1985年の日本シリーズが放った熱量は、プロ野球というエンターテインメントが持つ底知れぬパワーを全国に知らしめた。