世界的な大ヒットを記録した『トップ・オブ・ザ・ワールド』ですが、最初からシングルとしてリリースされる予定だったわけではありません。1972年にリリースされたカーペンターズの4作目のスタジオアルバム『A Song for You』に収録された際、アレンジャーでありプロデューサーのリチャード・カーペンターは、本作のポップすぎるカントリーテイストを過小評価し、シングル向きではないと判断していました。
しかし、この楽曲の爆発的なポテンシャルにいち早く気づいたのが、カントリー界のスター歌手であるリン・アンダーソンでした。彼女が1973年半ばにカバーバージョンをリリースすると、瞬く間に全米カントリーチャートで第2位、ビルボード総合チャートでも30年代前半に食い込むスマッシュヒットを記録します。
ラジオ局へのリクエストが殺到する状況を目の当たりにしたリチャードは、自身の判断を見直す決断を下します。彼は単にアルバムバージョンをそのままシングルカットするのではなく、カレンのリードボーカルをスタジオで再録音させ、ペダルスティールギターを前面に押し出した新たなミックスを施して1973年9月にシングル盤を発売しました。
結果として、このリメイクシングルは1973年12月にビルボードHot 100で2週連続1位を獲得。『遙かなる影((They Long to Be) Close to You)』以来となる全米制覇を果たし、カーペンターズのキャリアにおける金字塔となりました。