画面越しに見る緊迫感の裏には、放送されなかった数々のドラマが存在した。生前、岩井氏が親しい関係者に明かしていた独占秘話がある。カメラが回っていない控え室では、投資家同士のプライドをかけたバチバチの心理戦が繰り広げられていたという。
「札束をテーブルに置く瞬間、本当に手が震えるんだよ」。ある出資劇のあと、岩井氏はそう漏らしたという。画面上では冷静沈着に見える起業家たちも、自らの血汗で稼いだ私財を投げ打つ恐怖と戦っていた。ノーマネーでフィニッシュした志願者に対しても、収録後に岩井氏が個人的に呼び出し、事業計画の甘さを諭しながら再挑戦のヒントを授けていたというエピソードは、彼の温かい人柄を象徴している。成功者たちのリアルな決断の裏には、常に命がけの覚悟と深い人間愛が存在していた。