ここで強く注意しておかなければならないのは、ピルは肥満治療薬ではないという点だ。臨床の現場で多くの女性を診察する産婦人科専門医らは、「瘦せることだけを目的にピルを服用するのは本末転倒」と一様に警鐘を鳴らす。脂肪細胞そのものを分解する作用はピルには存在せず、あくまで体調やホルモンバランスを正常化した結果として体型が整うに過ぎない。
日本産科婦人科学会のガイドラインにおいても、適正な処方理由(避妊、月経困難症、子宮内膜症の治療など)に基づいた服用が推奨されている。もしピル服用初期にむくみや一時的な体重増加を感じた場合でも、2〜3ヶ月ほど経過を見て体が順応するのを待つのが鉄則だ。自己判断で服用を中断したり、無理な食事制限を重ねたりすることは、自律神経を乱し逆に太りやすい体質を作るリスクを高めてしまう。