ウィーン少年合唱団の母体は、1498年にハプスブルク家の神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が宮廷礼拝堂の専属聖歌隊として創設したことに遡ります。5世紀を超えるウィーン少年合唱団 歴史と経歴は、オーストリアの国家史そのものといっても過言ではありません。第一次世界大戦による帝国崩壊という最大の危機を乗り越え、1920年代半ばに私立の合唱学校として再編されたことで、現在の体制の基礎が築かれました。
世界中から集まるおよそ100名の団員たちは、ウィーン市内の広大な緑に囲まれた「アウガルテン宮殿」で寝食を共にしています。このアウガルテン宮殿 寄宿舎生活こそが、彼らの研ぎ澄まされた集中力と独特の連帯感を育む現場です。午前中は一般の学校と同様に国語(ドイツ語)、算数、理科、社会、英語などの正規教育を受け、午後からは2時間以上の本格的な声楽トレーニング、個人レッスン、ピアノや管楽器の実技演習が組み込まれています。
団員たちは均等な演奏水準を保つため、オーストリアにゆかりの深い大作曲家の名を冠した4つのグループに分かれています。
- ブルックナー組:重厚なポリフォニーや荘厳なミサ曲の解釈に秀でた伝統派
- ハイドン組:古典派の端正なアンサンブルと明るく躍動感ある発声が特徴
- モーツァルト組:華やかな表現力と国際ツアー経験豊富なエース級が揃うチーム
- シューベルト組:叙情性豊かな旋律美と親しみやすい民謡表現で高い人気を誇る
モーツァルト組 シューベルト組をはじめとする4つの組は、年間を通してローテーションで動いています。1つの組が世界ツアーに出ている間、別の組はウィーン王宮礼拝堂の日曜ミサで演奏し、残りの組は宮殿内で学業と基礎練習に集中するという、極めて機能的かつ合理的なシステムが確立されています。