日本国内の一般的なスーパーマーケットでは、グアンチャーレやペコリーノ・ロマーノを常時入手するのが難しいケースがあります。しかし、素材の代用法則と調理工程のポイントさえ押さえれば、家庭でも本場さながらのハイクオリティな一皿を仕上げることが可能です。
パスタには、中心に小さな穴が空いたロングパスタ「ブカティーニ(Bucatini)」を選ぶのがローマの伝統スタイルです。穴の中に旨味たっぷりのソースが入り込み、しっかりとした噛みごたえ(アルデンテ)が濃厚なソースを受け止めます。手に入らない場合は、1.8mm〜2.0mm前後の太めのスパゲッティで十分に代用できます。
家庭で失敗しない!本場流アマトリチャーナの黄金比率(2人前)
- パスタ(ブカティーニまたは太めスパゲッティ):160〜180g
- グアンチャーレ(またはパンチェッタ):80g(厚さ5〜7mmの短冊切り)
- ホールトマト缶(サンマルツァーノ種推奨):300g(手で潰しておく)
- ペコリーノ・ロマーノ(粉末):30〜40g
- 白ワイン(辛口):大さじ2
- 赤唐辛子(鷹の爪):1本(種を取り除く)
- オリーブオイル:小さじ1(フライパンの焦げ付き防止用)
プロが教える調理の4大ステップ
1. 豚肉の脂を極限まで引き出す
フライパンにオリーブオイル小さじ1と短冊切りのグアンチャーレ(パンチェッタ)を入れ、弱火にかけます。焦がさないようじっくり時間をかけ、脂が完全に溶け出して肉の表面がカリッとした黄金色になるまで炒めます。
2. 白ワインでデグラッセし、肉を一度取り出す
唐辛子を加え、辛口白ワインを一気に注ぎます。フライパンの底にこびりついた旨味(メイラード反応の結晶)を木べらでこそぎ落としながらアルコールを飛ばします。ここでカリカリになった肉を一度別皿へ取り出しておくのがプロの技です。煮込みすぎて肉が硬くなるのを防ぎ、最後の食感を保ちます。
3. トマトを脂で煮詰めて乳化させる
残った脂の中に潰したホールトマトを投入します。中火で10〜15分ほど、油分とトマトの水分がしっかり混ざり合い、ソースにとろみがつくまで煮詰めます。
4. パスタとチーズを素早く合わせる
塩分濃度1%のお湯で標準茹で時間より1分短く茹で上げたブカティーニ、取り出しておいた肉をソースのフライパンに加えます。火を止めてから、すりおろしたペコリーノ・ロマーノの半量を振り入れ、手早く煽って全体を乳化させます。皿に盛り付け、残りのペコリーノを雪のようにたっぷり振りかければ完成です。
代用食材を選ぶ際の注意点
グアンチャーレ(豚頬肉)がない場合、豚バラ肉の塩漬けであるパンチェッタが最も優れた代用品となります。市販の燻製ベーコンでも代用可能ですが、燻製の香りがトマトとチーズの繊細な風味を上書きしてしまうため、できる限り「無塩せき」または「スモーク香の弱い厚切りブロック」を選び、塩分を調整してください。
チーズに関しては、ペコリーノ・ロマーノ(羊乳)特有の野性的な香りと強い塩気がアマトリチャーナのアイデンティティです。牛乳製のパルミジャーノ・レッジャーノや粉チーズで代用すると、全体的にマイルドで甘い仕上がりになります。可能であればペコリーノを調達するか、パルミジャーノに少量の粗塩を補う工夫が求められます。