ジュニアアスリートの世界では、親がコーチの指導方針に口を挟んだり、私生活を過密にコントロールしたりする「ステージペアレント(過干渉な親)」の問題がしばしば取り沙汰されます。ネット上でも「トップスケーターの父親は指導に厳しいのではないか」という先入観を持たれがちです。
しかし坂本家の場合、実態はその対極にありました。指導は名将・中野園子コーチに全幅の信頼を置いて一任し、家庭内ではスケートの専門的な技術論を持ち込まないという徹底した境界線が敷かれていました。
自宅はあくまで「心身を休めるリラックスの場」であり、修さんは娘が帰宅すると美味しいご飯を用意し、たわいもない日常会話で笑わせることに専念。このオンとオフの切り替えが、バーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐ防波堤となっていました。