従来のテレビや新聞といったマスメディアと、個人のSNS発信の境界線は曖昧になる一方だ。PV(ページビュー)至上主義に陥った一部のネットメディアが、SNS上の噂をそのまま記事化し、検索エンジンの上位に表示させることで、デマの拡散を後押ししている側面は否定できない。
この循環が、ネットの「私刑」化をさらに加速させる。法治国家において、罪を裁くのは司法の役割である。しかし、スマートフォンの画面の向こう側では、感情的な世論が裁判官となり、証拠なき判決を下すケースが後を絶たない。
このような状況は、被疑者の人権だけでなく、被害者遺族の静かに暮らす権利をも脅かす。報道の自由とプライバシーの保護、そのバランスが今、かつてないほど揺らいでいる。