どれほど前向きな意味があるとはいえ、ネガティブな花言葉が存在する以上、実際のギフト現場ではどのように受け止められているのでしょうか。都内や関西圏の大手生花店スタッフへのヒアリング、および各種SNSや質問掲示板に寄せられた当事者の証言を突き合わせると、興味深い実態が浮き彫りになります。
現場のフローリストが口を揃えるのは、「マリーゴールド単体で花束を組んでほしいという注文は、記念日ギフトでは少数派」という現実です。その理由は花言葉の懸念だけではありません。マリーゴールドの葉や茎には独特の強い芳香成分(テルペン類やシトロネラール系化合物)が含まれており、これが「青臭い」「独特の薬草臭がする」と好みが分かれる要因となっています。この芳香は土中のセンチュウ(線虫)を遠ざける「コンパニオンプランツ」としての高い防虫効果をもたらす反面、室内で飾る切り花としては敬遠される場面があるのです。
一方で、SNSのリアルな声に耳を傾けると、異なる評価が響いてきます。2018年以降の音楽シーンにおけるマリーゴールドの叙情的なイメージの定着も手伝い、「見ているだけで元気が出る」「夏の思い出を象徴する花」として、20代から40代を中心に圧倒的な親愛の情を寄せられているのです。知恵袋などの相談でも「母の日にオレンジのマリーゴールドを贈りたいが失礼か?」という問いに対し、寄せられる回答の大半は「色の明るさや『健康』の意味を添えれば全く問題ない」「もらった側として非常に嬉しかった」という好意的な評価で占められています。