BOØWYの解散を巡っては、当時から現在に至るまで様々な噂や憶測が囁かれてきました。ネット上や週刊誌で語られる代表的な仮説を、本人たちの手記や確かな証言を基に検証します。
噂1:氷室京介と布袋寅泰の確執・不仲説
最も広く信じられているのが、フロントマンである氷室京介と、サウンドの要である布袋寅泰の確執・不仲説です。しかし、これは「人間的な大ゲンカ」という単純なものではありません。
布袋寅泰は自著『秘密』の中で、当時妻であった山下久美子のツアーへの参加やプロデュースを手掛けた際、氷室から「BOØWY以外の音楽に本気になるな」という趣旨の忠告を受けたこと、それに対して自らのミュージシャンとしてのアイデンティティや表現の欲求との間で葛藤が生じたことを告白しています。一方、バンドの看板を背負い、誰よりもBOØWYの結束を第一に考えていた氷室にとって、メンバーがバンド外に情熱を分散させることは看過できない問題でした。
高橋まことの自伝『スネア』でも語られているように、二人の間には憎しみではなく、「表現者としての方向性と自我の衝突」が存在しました。互いに才能を認め合っていたからこそ、妥協して惰性で続けることを良しとしなかったのが実態です。
噂2:ギャラ格差や印税を巡る金銭トラブル
一部のゴシップで囁かれた「ギャラ格差の噂」ですが、これも事実とは異なります。BOØWYは結成初期から、ライブのギャランティやバンドとしての収入を「メンバー4人で完全均等分配(4等分)」するルールを徹底していました。
ただし、楽曲の作詞・作曲印税は法的に著作者個人(作詞:主に氷室、作曲:主に布袋)に入るため、CDがミリオンセラーを記録するにつれてリズム隊(松井・高橋)との個人所得差が生じる構造は存在しました。しかし、松井も高橋もそのシステムをプロとして当然のこととして受け入れており、金銭トラブルが解散の引き金になったという事実は一切ありません。