『鯨の唄』は、2017年1月11日にリリースされたMrs. GREEN APPLEのセルフタイトルアルバム『Mrs. GREEN APPLE』の5曲目に収録された楽曲です。バンドの初期衝動と高い音楽的野心が結実したこのセルフタイトル作において、本作はアルバム全体を精神的に支える重要な柱として配置されました。
この楽曲の原案は、大森元貴が10代の多感な時期にすでに着想を得ていたとされています。当時から卓越したソングライティング能力を発揮していた大森ですが、自身の内面にある孤独感や、生きることへの根源的な問いを音楽へと昇華させる試みの中で生まれたのがこの楽曲でした。ストリングスを大胆に導入した重厚なアレンジは、初期ミセスのポップで瑞々しいパブリックイメージを鮮やかに裏切り、バンドの底知れない表現力を音楽シーンへ見せつける契機となりました。
また、2020年にリリースされたベストアルバム『5』にも収録され、フェーズ1の集大成を語る上でも欠かせないマスターピースとして位置づけられています。