半天狗が鬼となった背景には、人間の頃から染み付いていた醜悪な自己中心性と被害妄想があります。人間時代から盗みや殺人を繰り返し、捕まるたびに「手が勝手にやった」「自分は目が見えない気の毒な弱者だ」と嘘八百を並べ立て、一切の責任を他者へ転嫁し続けていました。
打ち首を宣告された獄中で鬼舞辻無惨と出会い、血を分け与えられて鬼と化した半天狗は、数百年にわたり「自分は弱者であり、責め立てる者が悪である」という歪んだ被害者意識を原動力に人間を喰らい続けました。
その最期は「刀鍛冶の里編」のクライマックス。炭治郎の放ったヒノカミ神楽「円舞一閃」によって巨大化した恨の胴体ごと両断され、心臓に潜んでいた本体を切り伏せられました。自らの死の間際、太陽の光を克服した竈門禰豆子の存在を無惨へテレパシーで伝達。半天狗の消滅と引き換えにもたらされたこの情報は、無惨の目的を「青い彼岸花の捜索」から「禰豆子の強奪」へと完全にシフトさせる決定的な引き金となりました。