人工授粉の第一歩は、その日咲いている雄花と雌花の見分け方を完璧にマスターすることです。スイカは1つの株に雄花と雌花が別々に咲く「雌雄異花(しゆういか)」のウリ科植物です。見分けるポイントは極めてシンプルですが、初心者が見落としがちな微細なサインがあります。
雌花(めばな)の特徴:
花びらの根元(付け根)に、すでに直径数ミリから1センチほどの「小さな丸いスイカの赤ちゃん(子房)」がついています。花の中心部を見ると、柱頭と呼ばれる受粉面が緑色で3つから4つに分かれてみずみずしく開いています。
雄花(おばな)の特徴:
花びらの根元にはふくらみが一切なく、細い茎がすっきりと伸びています。花の中心には黄色い葯(やく)があり、成熟するとたっぷりと黄色い花粉をまといます。通常、雄花は雌花よりも圧倒的に多く咲き誇ります。
ここで極めて重要なのが、どの雌花を受粉させるかという「着果節位の選別」です。親づる、あるいは整枝した子づるの根元から数えて、1番花(5〜10節前後)に咲く雌花は断腸の思いで摘み取ります。狙うべきは、草勢が十分に乗り葉の面積が確保された「15節〜20節目付近に咲く2番花、または3番花」です。この位置に着果させることで、光合成で作られた糖分が効率よく果実に転流し、大玉であれば8〜10kg、小玉であれば2kg前後の理想的なサイズへと肥大します。