インターネットの検索窓に「佐野SA」と入力すると、今なおサジェストに浮上するのが「ストライキ」「営業停止」「騒動」といった不穏な単語です。2019年8月中旬、お盆の帰省ラッシュのピーク時に起きたあの事件の背景には、一体何があったのでしょうか。
当時の報道各社の取材データや関係者の証言記録によると、事の発端は佐野SA上り線のレストランや売店を運営していた「株式会社ケイセイ・フーズ」における経営陣の専横と資金繰りの悪化でした。取引先への支払い遅延が表面化し、納入業者が商品の供給をストップ。経営危機に危機感を募らせた総支配人をはじめとする現場責任者が改善を求めたところ、当時の代表取締役が総支配人を突如解任しました。
これに対し、現場の従業員たちが「不当な解任の撤回」と「健全な労働・取引環境の回復」を求め、労働組合を結成して一斉にストライキに突入。売店の棚からすべての商品が消え去り、真っ暗な店内に「ストライキ中」の張り紙が掲げられたショッキングな映像は、全国ニュースで大々的に報じられました。従業員側が「お客様と取引先を守るための苦渋の決断だった」と語った通り、利害関係の対立というよりは、企業統治の機能不全に対する現場の反乱という異例のストライキだったのです。
約1ヶ月に及ぶ混乱と営業停止を経て、騒動の元凶となった経営陣は事実上退陣。その後、業務体制の抜本的見直しとNEXCO東日本主導によるエリア全体の再生プロジェクトが加速しました。現在の営業状況は完全に正常化されており、当時の労使対立の爪痕は一切残っていません。雇用体制や取引先との関係性も完全に刷新された新体制のもと、かつてない活気を取り戻しています。「まだ営業が不安定なのでは」という懸念は、完全に過去の杞憂にすぎません。