アニメ『鬼滅の刃』における風柱・不死川実弥の初登場は、第1期『竈門炭治郎 立志編』の柱合会議でした。主人公・炭治郎の妹である禰豆子を箱ごと刀で突き刺し、自らの腕を傷つけて「稀血(まれち)」で鬼の本能を煽る凶行は、当時の視聴者に強烈なトラウマと反感を植え付けました。
その極めて攻撃的で荒々しい男の声を担当したのが、声優の関智一です。配役が発表された当初から、アニメファンや業界関係者の間では「この危険な男に関智一をキャスティングした制作陣の意図」に対する期待が膨らんでいました。単なる悪役的な凶暴さではなく、内に秘めたマグマのような業(ごう)を表現できる役者として、関智一以上に適任な存在はいなかったからです。
物語が『柱稽古編』、そして劇場版『無限城編』へと進むにつれ、その配役の妙は確信へと変わりました。血走った眼光と無数の傷跡に刻まれた実弥の生き様が、関智一のドスの利いた低音と切迫した息遣いによって立体化され、2026年現在では「実弥の声は関智一以外に考えられない」という揺るぎない評価を確立しています。