猛暑のドライブ中に「さっきまで冷えていたのに急にぬるい風に変わった」というトラブルに見舞われるドライバーは少なくありません。一般的に正常なカーエアコンは、吹き出し口の温度が外気温に対して10℃〜15℃程度低下するのが正常動作の基準値です。風量は最大なのに温度差が数℃しかない場合、冷媒回路のトラブルを疑うのがセオリーとなります。
エアコンが急に冷えない理由として最も頻度の高い要因が、配管からの冷媒ガス漏れです。カーエアコンの冷媒サイクル内には、ガスと一緒に「コンプレッサーオイル」と呼ばれる潤滑油が同乗して高圧で循環しています。ガスが漏れ出して配管内の圧力が低下すると、オイルの循環量も同時に激減します。
この潤滑不足の状態でエアコンスイッチ(A/C)を入れ続けると、内部で激しい金属摩擦が発生し、最終的にコンプレッサー焼き付き症状に至ります。カチカチという異音やベルトの激しい鳴きが発生した後にコンプレッサーがロックすると、削れた微小な金属粉が配管・コンデンサー・エバポレーターなどエアコンシステム全体へ循環してしまいます。こうなると、単にガスを再充填するだけでは再起不能となり、システム全体の全交換という20万円を超える壊滅的な出費を強いられる結果となります。