歯が痛い時に効く市販薬はどれ?激痛を今すぐ止める薬と効かない理由

歯が痛い時に効く市販薬はどれ?激痛を今すぐ止める薬と効かない理由

歯が痛い時に効く市販薬はどれ?激痛を今すぐ止める薬と効かない理由についての疑問解決ガイドをご紹介します。

ネット上の掲示板やSNSでは、「ロキソニンを飲んだのに1ミリも痛みが引かない」「バファリンを飲んでも激痛で壁に頭を打ち付けたくなる」といった悲痛な叫びが散見されます。医療用成分と同じ市販薬を服用しているにもかかわらず、痛みがびくともしないケースがあるのはなぜでしょうか。そこには、歯という組織特有の解剖学的構造が深く関わっています。

歯の外側は人体で最も硬いエナメル質と象牙質に覆われており、その中心部に「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経と血管の束が存在します。虫歯菌がこの歯髄に到達して激しい炎症を起こすと(急性歯髄炎)、血管が拡張して大量の血液が流れ込みます。通常の皮膚や筋肉であれば腫れ上がることで内圧を逃がせますが、歯髄は硬い石の小部屋に閉じ込められているため膨張できません。結果として、内部の圧力(内圧)が異常な高圧となり、痛覚神経を物理的に強烈に圧迫し続けます。

さらに病態が悪化し、神経が完全に死んで腐敗する(歯髄壊死)と、今度は根の先端(根尖部)から顎の骨へと細菌とガスが噴出します。これが急性根尖性歯周炎(根尖性歯周組織炎)です。骨の内部に膿の袋が形成され、骨膜を内側から破らんとするほどの圧力爆発が起きている状態では、血流に乗って患部に届く鎮痛成分の化学的遮断作用を、物理的圧迫による神経伝達シグナルが容易に上回ってしまいます。「薬が効かない=生易しい虫歯の段階を完全に超え、顎の骨の中で膿が爆発寸前になっているサイン」と捉えなければなりません。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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