「磊」という漢字を目にする機会が最も多いのは、やはり四字熟語の「豪放磊落(ごうほうらいらく)」だろう。気性が豪快で小さないいぶんや細かい事象にこだわらない大らかな度量を指す言葉であり、歴史上の英雄や魅力的で人間味あふれる人物を評する際に用いられてきた。
しかし、日常の言葉選びや文学的表現においても、この文字の活用範囲は意外な広がりを見せる。例えば、小説やエッセイにおいて「磊々(らいらい)たる岩場」と表現すれば、ゴツゴツとした巨大な岩が乱立する荒々しい荒野の景色が一瞬で立ち現れる。
さらに人名利用においても、その質実剛健な響きと「揺るぎない芯の強さ」を想起させる字形から、根強い支持を集めている。名字や下の名前として接した際、初見では読み方に戸惑うものの、ひとたび意味を知れば強烈な印象と親近感が残る文字といえる。