内閣府食品安全委員会や厚生労働省は、妊婦に対して生卵や加熱不十分な卵料理の摂取を控えるよう継続的に注意を喚起している。家庭内での保管温度や調理環境によって、菌の増殖スピードは跳ね上がるからだ。
冷蔵庫のドアポケットの開閉による温度変化、割卵後の放置、わずかなヒビ割れ。日常の些細な油断が、安全域にあるはずの卵を危険な状態へと変えてしまう。妊娠期は普段よりも胃酸の分泌が抑えられ、細菌に対する防御壁が薄くなっている。国が「生食の回避」を原則とする背景には、どれほど流通が清潔であっても、家庭内リスクまでを100%コントロールすることは不可能だという冷厳な事実がある。