外観を見上げる。二重ガラスで覆われた曲面ファサードは、まるで水面が波立ち、光が乱反射している瞬間をガラスの中に閉じ込めたようだ。手掛けたのは建築家・青木淳。「銀座並木通り店ファサード再生プロジェクト」とも呼ぶべきこの挑戦において、彼は波打つガラスにダイクロイックコーティングを施し、見る角度や天候によって刻一刻と表情を変えるファサードを完成させた。
一歩館内に入れば、今度は建築家ピーター・マリノの美意識が炸裂する。オーク材を贅沢に使ったフロア、ゆるやかに波打つ階段、そして吹き抜けに設置された巨大なクラゲのインスタレーション。青木が創り出した「水の器」の内側に、マリノが生命力に満ちた海の世界を織り上げた。アート作品と製品が境界線なく溶け合う空間構成は、訪れる者を無意識のうちにアートコレクターの私邸へと誘う。