ここで重要なのは、「ポジショントーク=すべて排除すべき悪」と決めつける短絡的な思考に陥らないことです。ここに情報リテラシーの大きな盲点が存在します。
ビジネス社会において、自らの組織の強みを訴求し、顧客に価値をアピールして提案を行うのは職業倫理として当然の行動です。もし営業職が自社製品のメリットを一切語らず、競合他社ばかりを勧めていたら職務怠慢でしょう。発信者が「私は〇〇の会社の人間であり、この分野に注力している」と看板を掲げた上で自説を展開しているなら、それは開示された立場に基づく正当なプロモーション活動です。
真に危険であり、警戒すべきなのは「ステルス型のポジショントーク」です。自身の立場や利害関係を巧妙に隠蔽し、「中立な評論家」「客観的な第三者」「単なる親切なアドバイザー」を装いながら、裏で特定の方向へ誘導する言説こそが、受信者を欺く不道徳な罠となります。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
他者のポジショントークと接する際、その情報を「活用できる人」と「カモにされてしまう人」には決定的な分かれ道が存在します。
【ポジショントークを情報源として活用できる人】
発信者の立場を前提条件として織り込み、「業界内部の人間だからこそ知っている一次情報や技術的知見」だけを抽出して参考にできる人。利害関係を理解した上で、あえて相手の船に乗るかどうかを自律的に判断できる現実主義者です。
【ポジショントークを真に受けて慎重になるべき人】
「インフルエンサーが言っているから間違いない」「テレビで専門家が太鼓判を押していたから安心だ」と、権威やフォロワー数に思考を委ねてしまう人。自分の頭でリスク計算を行わず、他人の提示する耳触りの良い結論に飛びつく傾向がある人は、あらゆる市場で格好のターゲットにされてしまいます。