文学にとどまらず、映像文化の世界でも大菩薩の名は深く刻まれている。特に岡本喜八監督、仲代達矢主演で1966年に公開された東宝映画『大菩薩峠』は、時代劇映画の金字塔として今なお映画ファンの間で語り草だ。仲代達矢が演じる机竜之助の冷徹な狂気と、霧煙る峠の緊迫した情景は、観る者を圧倒した。
現在ではU-NEXTなどの動画配信プラットフォームを通じて、この名作を手軽に鑑賞できる時代となった。映画で描かれたダークで劇的な世界観をあらかじめ体験してから現地の大菩薩峠に立つと、足元を吹き抜ける風の音さえも、かつての時代劇のワンシーンのように迫ってくるから不思議だ。