問題作成者が仕掛けるトラップには明確なパターンが存在する。典型例は、一見すると先進的で効果的に思える治療法だ。だが、患者の病態や既往歴、現在のバイタルサインを精読すると、その処置は明確な禁忌に該当する。例えば、気管支喘息の発作に対してβ遮断薬を投与するような、病態生理の基本を無視した選択肢だ。
近年目立つのは、侵襲的な検査や治療の強行、あるいは倫理的・法的判断を誤らせる選択肢だ。患者の同意を得ずに侵襲手技を進める行為や、感染症法・医師法に違反する対応も禁忌に指定されやすい。知識の丸暗記に頼り、問題文の細部にある「患者の背景情報」を読み飛ばした医学生ほど、こうした罠に綺麗に引っかかる。