大隅半島の魅力は自然景観にとどまりません。日本の国防の歴史と、世界の先端を走る宇宙開発のロマンが隣り合わせに息づいています。
平和への祈りと航空技術の粋「鹿屋航空基地史料館」
海上自衛隊鹿屋航空基地に隣接する史料館は、旧海軍の創設期から現代の海上自衛隊に至るまでの貴重な資料を展示する国内屈指の施設です。鹿屋航空基地史料館見学における最大の目玉は、世界で唯一現存する「二式大型飛行艇(二式大艇)」の実機展示と、徹底的に復元された「零式艦上戦闘機五二型」です。特攻隊員たちの遺書や絶筆も数多く収蔵されており、訪れた多くの人々が静かに涙を流す場所でもあります。見学料は無料ですが、その展示内容の濃密さと重厚さは民間の大規模博物館を凌駕しています。
山塊から宇宙へ挑む「内之浦宇宙空間観測所」
肝付町にあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の施設「内之浦宇宙空間観測所」は、日本初の人工衛星「おおすみ」や小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられた歴史的拠点です。一般的なロケット発射場が平坦な海岸線にあるのに対し、内之浦は切り立った山岳地帯に巨大なパラボラアンテナや発射台が点在する世界でも極めて珍しい構造をしています。内之浦宇宙空間観測所ロケットの歴史を学べる宇宙科学資料館のほか、打ち上げ時以外は自家用車で敷地内を巡回見学できる自由度の高さも旅行者を惹きつけています。