SNSの台頭は、友情の定義を大きく塗り替えた。ハーバード大学の学生寮から始まったSNSの興亡を描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』が象徴するように、現代人はボタン一つで何百人もの「友達」を獲得できる環境を手に入れた。しかし、登録者数が増えるほどに、個人の孤独感はかえって深まるという逆説が存在する。
イギリスの進化人類学者ロビン・ダンバー教授が提唱したダンバー数は、この現象を解き明かすカギとなる。人間の脳の認知能力において、円滑に維持できる人間関係の上限は約150人であり、その中でも深い信頼関係を築ける「真の親友」は高々5人程度に過ぎないとされる。
画面上のフォロワー数に惑わされ、深層的な対話を怠れば、どれほど繋がりが多くとも孤独感は消えない。質の高い少数の関係性こそが、人間の精神的安定に不可欠であることを学術的データは示している。