本作を語る上で外せないのが、劇中で圧倒的な存在感を放つ主要キャスト陣の圧巻の経歴と演技力だ。初演およびクラシック映画版で主人公ファニーを演じたオーラーヌ・ドマジスは、舞台演劇で培った繊細かつ情熱的な演技で、一躍時代のアイコンとなった。愛する男の夢のために自らの想いを封印する複雑な心理描写は、今なお語り継がれる演技の教科書と言っていい。
さらに、名優ルイ・レザン(ライム)演じる父セザールや、老実業家パニスを演じたピエール・フレネーら名優たちのアンサンブルは圧巻の一言。近年制作された派生作品やリマスタープロジェクトでも、実力派の現代キャストやトップレベルのボイスキャスト陣が集結しており、彼らの圧倒的なキャリアと役への没入感が、キャラクターに時空を超えた息吹を与えている。