かつてiPhone 6sの「3D Touch」機能とともに鳴り物入りで登場した「ライブ壁紙」は、画面を強く押し込むことで躍動するインタラクティブな機能として長年親しまれてきました。しかし、2026年秋にリリースされた「iOS 16」において、Appleはロック画面のデザインを全面的に再構築した際、この機能を突如として完全撤廃しました。ウィジェット機能やフォント変更、写真の被写体が時計の前に飛び出す「被写界深度エフェクト」が導入された代償として、動く壁紙のコードそのものがシステムから削ぎ落とされたのです。
この一方的な廃止に対し、国内外のAppleサポートコミュニティや海外掲示板Redditでは数万件に及ぶ抗議の声が噴出しました。「なぜ愛犬の動く瞬間を待ち受けにできないのか」「推しのアニメーションを奪わないでほしい」というユーザーからの激しいフィードバックを受け、Appleは「iOS 17」においてLive Photos壁紙の劇的な復活へと舵を切ることになります。
ただし、復活した仕様は過去のものとは完全に別物でした。指で画面を押し込むインタラクションは完全に撤回され、「スリープを解除して画面が点灯した瞬間に、1〜2秒ほど自動でスロー再生される」というスマートな演出へと刷新されたのです。さらに現行のiOS 18以降の環境では、フレームレートの滑らかさや省電力制御のアルゴリズムが一段とブラッシュアップされ、ロック画面ウィジェットや空間写真(Spatial Photos)との高度な両立が図られるまでに至っています。過去の「長押しすれば動くはず」という認識を持ったままの設定操作が、多くのユーザーに「故障して動かない」と錯覚させる主要な原因となっています。