法改正によって枝を自分で切除できる道が開かれたとはいえ、「邪魔だから今すぐ切ってしまおう」と無断で作業を行うのは極めて危険です。日本の法制度には、裁判などの正当な法的手続きを経ずに自らの実力で権利を実現することを禁じる「自力救済の禁止」という大原則が存在します。
もし隣人に何の連絡や催告も行わず、勝手に境界線を越えて敷地内に入ったり枝を切り落としたりした場合、刑法第261条の「器物損壊罪」や刑法第130条の「住居侵入罪」に問われるリスクがあります。樹木そのものは隣人の所有物(財産)であるため、勝手な切除によって木が枯れたり美観が損なわれたりすれば、民事上の不法行為として損害賠償を請求される事態にも発展しかねません。
「被害者側だったはずが、一瞬の判断ミスで加害者に仕立て上げられてしまう」という最悪の展開を避けるためにも、必ず法が定めた正規のステップを順守する必要があります。