等尺性収縮には数多くの利点がある反面、トレーニング設計上の明確な弱点も存在します。長所と短所を正しく見極めることが重要です。
最大のメリットは、関節への摩耗や衝撃ストレスが極めて少ないことです。ジャンプやバーベルの上げ下げのような急激な切り返しがないため、関節炎を抱えている人や怪我からの復帰期でも安全に負荷をかけられます。また、狭いスペースで器具なしで完結する点も大きな魅力です。
一方で、見逃せないデメリットが関節可動域における「角度特異性」です。等尺性運動で強化される筋力は、基本的に「力を発揮したその関節角度の前後15度程度」に限定されます。全身をしなやかに連動させたり、広い可動域全体でパワーを発揮したりする能力を高めるには、通常の等張性収縮トレーニングとの併用が欠かせません。