日本のアイドル史を振り返る上で、1980年の松田聖子さん・河合奈保子さんの登場が第1の転換点だとすれば、そのわずか2年後の1982年はまさに爆発的なピークでした。音楽プロデューサーや各芸能プロダクションが威信をかけ、桁外れの才能を一斉に世へ送り出したのがこの年です。
厳密には1981年10月にデビュー曲『センチメンタル・ジャーニー』をリリースした松本伊代さんも音楽祭の新人賞レースの規定上「82年組」として合流。そこに『スローモーション』の中森明菜さん、『私の16才』の小泉今日子さん、『潮風の少女』の堀ちえみさん、『急いで!初恋』の早見優さん、『妖精時代』の石川秀美さん、そしてジャニーズ事務所から登場したシブがき隊らが加わり、前代未聞のスター集団が形成されました。
彼女たちの最大の特徴は、全員が全く異なる強烈な個性を持っていた点にあります。正統派清純派、バイリンガル帰国子女、ボーイッシュ、アンニュイな本格派シンガー、不良っぽさを漂わせるトリオなど、キャラクターの被りが一切ありませんでした。この多面的な魅力こそが、テレビ全盛期の視聴者を釘付けにした原動力です。