アオギリの樹において、ノロはタタラと並ぶ最高幹部として行動を共にしていました。しかし、タタラが冷徹に作戦を立案し指示を出す司令塔であるのに対し、ノロは一切の人格や感情を表に出さず、言葉も一言も喋らないという不気味な存在感を放っていました。
常に携帯時計のアラームをセットし、時間が来ると戦闘の最中であってもあっさりと撤退する行動パターンは、エトから課された行動規範に忠実に従っていたためと考えられます。タタラもノロの異常な肉体構造とエトとの背景を知っていたためか、彼に対して過度な干渉をせず、特務部隊のような扱いで重用していました。
激闘の末に破損したマスクの下から露わになった素顔は、生きた人間の顔ではなく、ミイラのように乾燥し白骨化した頭骨と、眼球のない虚無の空洞でした。ノロという個体がとうの昔に生物として息絶えており、ただエトの赫子によって動かされていた「死者」であった事実を残酷に物語る描写です。