SNSや自動車コミュニティ、大手知恵袋では、走行距離が7万kmを超えたCX-5やCX-8のオーナーから切実な声が寄せられています。
「高速道路の合流車線でアクセルを床まで踏み込んでも、エンジンがうなるだけで全然前に進まない。まるで後ろから引っ張られているような感覚だった」(40代・CX-8オーナー)
「毎日のようにメーターパネルに『DPF再生中』の表示が出るようになり、往復15分の通勤では再生が完了せず、週末にわざわざ高速を走るのが苦痛になった」(50代・CX-5オーナー)
こうしたトラブルの背後にあるのは、日本の交通環境特有の走行パターンです。専門店の整備士は現場の状況を次のように語ります。
「入庫する車両のうち、特に重症化しているのは『平日は片道10分程度の近所への買い物や送り迎えだけ』というお車です。クリーンディーゼルの排ガス浄化フィルター(DPF)は、排気温度がしっかり上がらないと煤を自浄燃焼できません。自動車メーカーが推奨するように、本来は2週間に一度、20分以上の連続走行を行ってエンジンを温める必要があります。それができない短距離走行が続くと、吸気経路からEGR、DPFに至るまで真っ黒なカーボンで窒息してしまいます」
現場で実際に取り外されたインテークマニホールドを見ると、内径の40〜50%以上が分厚い煤の層で塞がれている光景が日常茶飯事です。施工を専門とする店舗では、作業前・作業後の状態を内視鏡や高解像度カメラで撮影し、オーナーへ手渡すスタイルが標準化しています。目に見えて開口部が元の大きさに戻り、試走へ出かけたオーナーが「アクセルに軽く足を乗せただけで車体がスッと前に出る」「新車の納車日に感じたあの力強いトルクが戻った」と驚愕の表情を見せる瞬間こそが、この整備の最大の醍醐味と言えます。