日本の食料自給率はカロリーベースで38%前後と先進国の中でも際立って低い水準にありますが、日本の米自給率の現状は約99%を維持しており、ほぼ唯一の完全自給可能な主食穀物です。
しかし、その足元は決して盤石ではありません。現在、日本の稲作現場は以下のような深刻な構造的リスクに直面しています。
第一に、農業従事者の記録的な高齢化と急速な離農です。平均年齢が68歳を超える中、後継者不足による耕作放棄地の拡大に歯止めがかかっていません。第二に、地球温暖化による高温障害です。夏の猛暑によって米の白未熟粒が増加し、等級落ちや歩留まりの悪化が頻発しています。
肥料や農業資材、燃料の多くを海外輸入に頼っている現状を考えれば、純粋な意味での自給基盤は脆弱であり、有事の際の食料安全保障や穀物需給の維持は国家的な喫緊の課題となっています。