精神科への入院は、患者本人の同意に基づくものから、法律に基づき強制力を伴うものまで厳格に法制化されています。特に閉鎖病棟で多く見られる「任意入院」「医療保護入院」「措置入院」の3つは、決定プロセスや法的要件が大きく異なります。
本人の自由意思で入院契約を結ぶ任意入院の場合、基本的には開放病棟での処遇が原則ですが、本人が同意した上で「病状悪化時に一時的に閉鎖病棟へ入る」形態も存在します。一方で、臨床現場で最も議論の対象となりやすいのが医療保護入院と任意入院の違いです。医療保護入院は、本人が病気の影響で入院の必要性を認識できない状態にある場合、精神保健指定医の診断と「家族等(配偶者、親権者、扶養義務者など)」の書面による同意を根拠に入院が成立します。
さらに重い形態として位置づけられるのが措置入院の決定基準です。これは「精神障害のために自身を傷つけ(自傷)、または他人に害を及ぼす(他害)おそれが明白である」と認められたケースに限定されます。警察官の通報や一般人からの申請を受け、都道府県知事の権限のもとで2名以上の独立した精神保健指定医の診察結果が一致したときのみ命じられる行政処分です。