インターネット上の観光ブログやSNSでは、「〇〇映画の公式モデル!」と銘打たれた城の紹介が散見されます。しかし、映画の城の歴史と噂の真相を検証すると、ファンの希望的観測や現地の観光PRによって後付けされた俗説が少なくありません。
代表的な例が、ジブリ作品におけるモデル地論争です。スタジオジブリは公式に「大いに参考にした場所」を一部発表していますが、ネットで拡散されている「特定の城が単独のモデルである」という言説の多くは、ファンコミュニティ発祥の推測です。宮崎駿監督の手法は、世界の複数の風景や記憶の断片を抽出し、頭の中で再構成して唯一無二の架空世界を創り出す点にあります。
また、実写映画のロケ地であっても、外観のみを実在の城で撮影し、内装や謁見の間はスタジオの大規模セットや別の大聖堂で撮影して合成する手法が一般的です。「映画で観たあの部屋」がその城に実在するとは限らないため、巡礼前に撮影箇所の詳細を確認することが肝要です。