歴史の教科書に登場する坂本龍馬は、薩長同盟の仲介や大政奉還の推進など、日本の夜明けを導いた風雲児だ。一方、『銀魂』における彼は、船酔いが酷く、どこか抜けた印象を与える男として登場する。しかし、この一見ふざけたキャラクター造形こそが、空知英秋の天才的な人間観察眼の産物と言える。
一見するとただのギャグキャラだ。だが、その根底にある「誰も死なせない」「貿易で世界(宇宙)を繋ぐ」という思想は、史実の龍馬が抱いた「船中八策」や海援隊の理念と見事にシンクロしている。読者は笑いながらも、彼の行動原理に本物の志士の魂を感じ取るのだ。