大丸温泉の歴史は古く、元禄年間に発見されたと伝えられています。以来300年以上にわたり湯治場として旅人の心身を癒やし続けてきました。その長い歩みの中で、宿に深い足跡を残した歴史的偉人が乃木希典(のぎまれすけ)将軍です。
明治期の陸軍大将であった乃木将軍は、那須の自然と大丸温泉の湯をこよなく愛し、生涯で幾度もこの宿に逗留しました。日露戦争から凱旋した後も静養のために長期滞在し、宿周辺の山々を散策しながら英気を養った記録が残されています。
館内には乃木将軍直筆の書やゆかりの資料が展示されており、当時将軍が入浴したとされる湯船の歴史を今に伝えています。激動の時代を生きた偉人が静寂を求めて通った場所という歴史の重みが、宿の佇まいに一層の深みを与えています。