代かきは一度に土を仕上げる作業ではありません。熟練農家は工程を2段階、圃場条件によっては3段階に分け、泥の状態を見極めながら仕上げていきます。ここでは作業の要となる荒代と植代の違いおよび代かきの手順とプロのやり方を解説します。
作業の全体工程は以下の順序で進行します。
ステップ1:入水(作業の1〜2日前)
完全に乾いた圃場に水を入れます。いきなり満水にするのではなく、乾いた土塊が水を吸い上げて崩れやすくなるよう、土の頭(凸部)が数割露出する程度の水加減(五分水)で止めるのがプロの鉄則です。
ステップ2:荒代(あらしろ)
大まかに土塊を打ち砕き、前作のワラや緑肥を泥の底へすき込む作業です。ここでの目的は「泥をトロトロにすること」ではなく、「乾いた土の塊に水分を行き渡らせ、高低差を把握すること」にあります。作業速度はやや早めの時速3〜4km、ドライブハローやロータリーの回転数は標準〜やや低めで走行し、土を練りすぎないよう配慮します。
ステップ3:植代(うえしろ・仕上代)
田植えの直前に行う最終仕上げです。細かく砕いた土の表面をきれいに均平化し、田植え機が真っ直ぐ正確に走行できる「硬からず軟らかすぎず」の表層を作ります。リアフラップ(ハロー後部の均平板)をしっかりと効かせ、泥を高いところから低いところへ引きずりながら移動させて平坦面を完成させます。
ここで機材の要となるのがトラクターとドライブハローの使い方です。近年広く普及している代かき専用機「ドライブハロー」は、一般的な耕うん用ロータリーに比べて爪の配列が多く、高速回転で細土・均平作業を行えます。プロのオペレーターは以下のポイントをミリ単位で調整しています。
トラクターのPTO(動力取り出し軸)変速は1速または2速を選択し、エンジンの回転数を無駄に上げすぎない設定にします。爪の耕深は「浅耕(5〜8cm程度)」を維持し、下層の硬盤(トラクターの足場となる固い層)を絶対に突き崩さないようハローの高さをコントロールします。硬盤を破壊してしまうと、翌週の田植え機だけでなく秋の大型コンバインが泥に沈没して走行不能になる「底抜け田んぼ」化を引き起こすためです。