この変化の波は、日本の教育現場にも押し寄せている。従来の「英文和訳」や「文法穴埋め問題」を中心とした大学入試は、実社会のニーズと完全に乖離してしまった。都内のある私立高校では、英語の授業から教科書をなくし、海外の同世代とオンラインで社会問題を議論するカリキュラムを導入した。
担当教諭は言う。「生徒たちには、スマートフォンの翻訳アプリを自由に使わせています。しかし、ディベートが白熱すると、アプリを叩いている時間すらもどかしくなる。彼らは自然と、自分が知っている限りの英単語を繋ぎ合わせて叫び始めます。その瞬間にこそ、本当の『言葉の獲得』があるのです」。知識としての英語から、道具としての英語へ。教育の目的は、知識の詰め込みから「関係性の構築」へとシフトしている。