現在の太麺ブームを紐解くと、製麺アプローチが大きく二極化していることがわかる。ひとつは、加水率50%を超える「多加水極太もちもち麺」だ。手もみを丹念に加えることでランダムな縮れを生み出し、スープを優しく抱きかかえる手法である。
対するもうひとつの極限が、加水率30%前後の「超低加水ゴワゴワ麺」だ。製麺機の圧延ローラーに何度も通し、高密度に締め上げた麺体は、噛み切る際に強い反発を示す。この二大流派が互いに切磋琢磨することで、太麺というジャンル全体の質が跳ね上がっている。職人たちは気温や湿度に応じて0.1%単位で水分量を調整し、その日のベストな一本を打ち出している。