家電量販店で手に入る一般的なカナル型イヤホンと、イヤモニの血統を引くイヤモニ風イヤホンの最大の違いは、「耳甲介腔(耳のくぼみ)」全体を物理的に埋め尽くすハウジング設計にあります。一般的なイヤホンはイヤーピースの弾力だけで耳穴に固定しますが、イヤモニ型は耳珠や対耳輪といった軟骨の凹凸にシェルをぴったり沿わせる人間工学デザインを採用しています。
この形状がもたらす最大の恩恵が、圧倒的なパッシブ遮音性です。アクティブノイズキャンセリング(ANC)のように逆位相の音波をぶつけて騒音を消すのではなく、隙間そのものを強固に塞ぐため、電車内のモーター音からカフェの話し声まで約30dB〜37dBもの騒音を物理的にカットします。ANC特有の耳に圧迫感がかかる感覚が苦手なユーザーにとって、この自然な静けさは替えが効きません。
さらに、ケーブルを耳の上から後ろへと這わせる「SHURE掛け(シュア掛け)」が標準仕様となっています。歩行時や衣服と擦れた際に発生する耳障りな「ボソボソ」というタッチノイズがケーブルを経由して鼓膜に届くのを物理的に逃がすため、クリアな音響空間に没入できる仕組みが整っています。