積み上げ型バランスゲームの歴史を語る上で避けて通れないのが、世界中で愛される「ジェンガ」の存在だ。この傑作を考案したレスリー・スコットは、幼少期を過ごしたガーナでの木製ブロック遊びから着想を得た。スワヒリ語で「建てる」を意味する言葉を冠したこのゲームは、のちに大手玩具メーカーのハズブロによって世界的なメガヒットを記録することになる。
スコットが提示した設計思想の根底にあるのは「引き算の美学」と「重力への挑戦」だ。完璧に組まれたタワーから一本を抜き取り、最上段に積む。手作りでゲームを再現しようとする際にも、この「摩擦と重力のバランス」をいかに素材へ落とし込むかが成否を分ける。均一ではない手作りの木片だからこそ、本家とは一味違う予測不能なスリルが立ち現れる。