ここ数年、グルメ系インフルエンサーの投稿や掲示板などで「エビの品種が変わって小さくなった」「以前のプリプリ感が薄れた」といった言説が散見されました。果たしてこの噂は事実なのでしょうか。
取材およびサイゼリヤ公式発表やIR資料を精査すると、この「エビ変更の真相」には国際的な漁獲情勢と調達ルートの変遷が色濃く反映されていることが分かります。北欧・グリーンランド沖における冷水エビは、海洋生態系の保護を目的とした国際的な漁獲割当(TAC)の厳格化により、時期によって水揚げ量やサイズ規格に微細な変動が生じます。サイゼリヤは年間数千トン規模のエビを安定調達するため、複数の優良サプライヤーと長期契約を結んでいますが、世界的な資材高騰期には一部ロットで規格サイズの調整が行われた経緯がありました。
しかし、エビの種類そのものを安価な温水系養殖エビへ全面的に切り替えたという事実は一切ありません。広報担当者への確認や有価証券報告書に示された購買戦略からも、同社が「天然冷水エビの甘み」というコアバリューを死守している姿勢は明確です。一時期メニューに存在した「Lサイズ」の改編や、盛り付けボウル形状の刷新(平皿から深鉢型への移行)によって視覚的なエビの見え方が変化したことも、ネット上で「ステルス値上げ」や「サイズ変更」と誤認された大きな要因となっています。