この時代を語る上で欠かせないのが、鬼才・村西とおるに代表される熱気あふれるクリエイターたちの存在だ。1980年代後半から90年代にかけてのAV業界は、表現の限界に挑む情熱と過激な演出が入り乱れる混沌としたフロンティアだった。その熱狂は、Netflixの世界的大ヒットドラマ『全裸監督』でも生々しく描かれ、現代の若い世代にも広く知られるところとなった。
ビデオ安売り王の登場は、こうした作品群を消費者の手元へダイレクトに届ける巨大な導管となった。レンタル店で借りて返却する手間に不満を感じていた層にとって、「安く買って手元に所有する」という新しいライフスタイルは画期的だった。映像ソフト流通業界の勢力図は一変し、メジャー流通に乗りにくかったインディーズ作品や過激なコンテンツが爆発的に流通する素地が完成したのである。