夜驚症の根本的な原因は「中枢神経系の未熟さ」ですが、実際の発作を誘発するトリガー(引き金)には明確な傾向があります。
第一に挙げられるのが「極度の身体的疲労と睡眠不足」です。日中に運動会や遠足などの大きなイベントがあり過度に体力を消耗した日や、昼寝をし損ねて過労状態のまま就寝した夜は、反動でノンレム睡眠が極端に深くなり、発作の頻度が跳ね上がります。
第二に「発熱や身体疾患」です。風邪などで高熱が出た際、体温上昇が中枢神経を刺激し、普段は夜驚症を起こさない子どもでも突発的に叫び出す事例が臨床現場で多数報告されています。
第三に「精神的緊張や環境変化によるストレス」です。入園・進級、引っ越し、弟妹の誕生、発表会前のプレッシャーなど、幼児期の感受性にとって大きな感情の揺れ動きが引き金となります。ただし、ここで注意すべきは「親の愛情不足や不適切なしつけが原因ではない」という点です。日中に受ける健全な刺激や心理的興奮の処理能力が、脳の発達速度に一時的に追いついていないだけであることを正しく理解してください。