なぜ東ティモールやグアテマラにおいて平均身長が伸び悩んできたのか。その問いに対する答えは、過酷な歴史的背景と無縁ではない。東ティモールは長年にわたる占領と内戦によって農業基盤と物流ネットワークが破壊され、広範囲な食料不安と貧困が数世代にわたって住民を苦しめた。
一方、グアテマラにおいてはマヤ系先住民が多く暮らす高地を中心に、内戦の痛痕と極端な社会経済的格差が残る。トウモロコシを中心とする単調な食生活はエネルギー補給にはなっても、骨や筋肉の発達に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルを決定的に欠いていた。歴史的な搾取と社会的孤立が、人々の身体のサイズという目に見える形で刻み込まれている。