SNSやネット掲示板を調査すると、「修学旅行の博物館で見た絵が怖かった」「昔のアニメに出てきてトラウマになった」といった証言が多数見受けられます。多くの人々が幼少期に抱いた恐怖の原体験は、水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』や特撮ヒーロー番組、さらには『スーパー戦隊シリーズ』『信長の野望』『仁王』といったゲーム作品を通じて強化されてきました。
文化研究の現場において指摘されているのは、「がしゃどくろ」という存在の持つ圧倒的な視覚的完成度です。日本の伝統的な幽霊や妖怪の多くは、おぼろげで実体の掴めない不気味さを特徴としていますが、がしゃどくろは西洋のモンスターにも通じる「物理的破壊力を持つ巨大クリーチャー」としての性質を兼ね備えています。
江戸の浮世絵師が残した前衛的なグラフィックと、昭和のポップカルチャーが融合した結果、本来は存在しなかった伝承がわずか半世紀余りで「誰もが知る国民的妖怪」へと昇華した好例といえます。